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.NET移行で道路管理システムの保守性を高めたバックエンド刷新事例

プロジェクト2026.09.09

.NET移行で道路管理システムの保守性を高めたバックエンド刷新事例

長年運用されてきた道路管理システムにおいて、旧来のシステム基盤への依存による保守性の低下、処理性能の限界、および将来的な拡張性の制約が課題となっていました。本プロジェクトでは、中核となるバックエンド/APIおよび業務ロジックを ASP.NET Core(.NET 8)へと移行し、既存業務の継続性を完全に維持しながら、保守・改善をスピーディーに行える堅牢なシステム基盤へと刷新しました。

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お客様の課題

既存の道路管理システムは長期にわたり安定稼働を続けていたものの、旧来の ASP.NET Web Forms をベースとしたモノリシックな構成であり、業務ロジックと画面表示が密結合していました。そのため、機能改修や不具合調査時の影響範囲の特定が難しく、法改正や運用変更に伴う迅速な機能追加や性能改善の大きな足かせとなっていました。

また、54件に及ぶ共通マスタやAPIが複数のサブシステムをまたいで参照されており、一部の修正が予期せぬ機能へ波及するリスクを常に抱えていました。今後の安定運用とDX推進を見据え、既存の道路管理業務を一切止めることなく、保守性に優れた現代的なバックエンド基盤へ段階的に移行することが急務となっていました。

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プロジェクトの目的

本プロジェクトの主目的は、日々の道路管理業務を継続しながら、基幹バックエンド/APIを長期サポート(LTS)対象である最新の .NET 8 基盤へと移行し、将来にわたる拡張性と保守性を確保することです。

単なるプログラミング言語・フレームワークの置き換えにとどまらず、長年蓄積された複雑な業務ロジック、マスタデータ整合性、フロントエンドとの連携仕様を完全に担保した「安全かつ確実なモダナイゼーション」の実現を目指しました。

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SMILEの対応範囲

SMILEは、既存システムのコード解析から新アーキテクチャへの移行実装、品質検証、本番リリース支援までを一気通貫で担当しました。主な対応範囲は以下の通りです。

  • 既存 ASP.NET Web Forms システムの構造分析およびリバースエンジニアリング
  • バックエンドAPIおよび中核業務ロジックの ASP.NET Core(.NET 8)への移行・再設計
  • 既存データベース構造に適合したデータアクセス層および処理ロジックの最適化
  • 54件の共通マスタに関するデータ移行・CRUD処理および整合性検証
  • React 18 ベースのWebフロントエンドとのAPIインターフェース整合性検証
  • ArcGIS(地理情報システム)連携モジュールとの責務分離を考慮したアーキテクチャ整理
  • リグレッションテスト(回帰テスト)の網羅的実施、パフォーマンスチューニング、本番リリース支援
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開発・改善のポイント

大規模な業務システムであるため、一括全面刷新(Big Bang方式)によるリスクを避け、機能単位・API単位で影響範囲を可視化しながら段階的(フェーズ分け)に移行を推進しました。レガシーコードからドキュメント化されていない暗黙の仕様を丁寧に読み解き、新基盤へと正確に移植しました。

特に、システム全体の基盤となる54件の共通マスタについては、各画面や外部処理からの参照関係を詳細に洗い出しました。単なるデータの受け渡しだけでなく、入力バリデーションやエラーハンドリングの統一を図ることで、既存互換性を維持しつつ、将来の開発効率を大幅に向上させる構造へと昇華させました。

また、React 18 で構築されたレスポンシブWebフロントエンドとの連携においても、APIレスポンス形式や通信プロトコルの整合性を綿密に検証。リグレッションテストを反復実施することで、UI側の操作感を一切損なうことなくバックエンドの刷新を完遂しました。

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使用技術

フロントエンド連携

React 18(レスポンシブWeb)。画面側からのAPIリクエスト処理、入力値バリデーション、データ受け渡しの互換性を担保。

バックエンド

C# / ASP.NET Core(.NET 8)。中核業務ロジックとWeb APIを移行。Clean Architecture思想を取り入れ、保守性とテスト容易性を向上。

データベース

既存データベース(RDBMS)を継続利用。既存のデータ資産と整合性を保ちながら、接続・クエリ実行処理を最適化。

インフラ・実行環境

オンプレミス / お客様既存サーバー環境。セキュリティ要件および既存ネットワーク接続条件を満たした構成を採用。

要素技術・手法

レガシー移行(ASP.NET Web Forms 刷新)/ APIモダナイゼーション / リグレッションテスト / パフォーマンスチューニング / アーキテクチャ分離(ArcGIS連携の疎結合化)

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技術的に難しかった点と対応

仕様を抽出して疎結合な現代的アーキテクチャへと再構築することでした。特に、54件の共通マスタとArcGIS関連の地理空間データ処理が複雑に絡み合っており、軽微な修正であっても広範囲にデグレードを引き起こすリスクがありました。

これに対しSMILEは、移行初期に「機能依存関係マトリクス」を作成し、APIと共通マスタの結合度を定量的に可視化しました。その上で、ArcGISに依存する地図処理と一般的な道路台帳・業務管理ロジックの責務を明確に分離(疎結合化)しました。さらに、移行対象ごとに「単体テスト → API結合テスト → リグレッションテスト」という検証サイクルを徹底することで、既存業務に影響を与えることなく潜在的な不具合を未然に排除しました。

また、データアクセス処理の見直しと非同期処理(async/await)の最適化を行うことで、APIレスポンスの遅延要因を解消し、システム全体の処理性能向上も実現しました。

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導入効果

最新の ASP.NET Core(.NET 8)基盤への移行により、旧基盤(Web Forms)のブラックボックス化が解消され、道路管理システムの保守性・拡張性が飛躍的に向上しました。

徹底したリグレッションテストと段階的移行により、既存業務への影響ゼロ(デグレードなし)での移行を達成。長年の課題であったシステムの陳腐化やサポート終了リスクを払拭し、今後の機能追加や法改正への追従をスピーディーかつ低コストで実現できる持続可能な開発基盤が整いました。

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オフショア開発体制のポイント

日本側の要件・仕様窓口とベトナムの開発チームが一体となり、緻密なコミュニケーション設計のもとでプロジェクトを遂行しました。過去の設計書が不足しているレガシー移行特有の難しさに対し、ブリッジSE(BrSE)が業務要件とコード解析結果の橋渡しを担当。確認事項やリスク要因を「Q&Aシート」や「影響範囲一覧」として迅速に可視化しました。

仕様理解の相違を防ぐため、日越バイリンガルでの技術ドキュメント整備を徹底するとともに、テストケースを早期に共有して認識合わせを実施。オフショア開発でありながら、品質・スピード・コストの最適なバランスを保ち、計画通りの納期で高品質なデリバリーを実現しました。

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まとめ

長期間稼働している基幹業務システムにおいて、業務を止めずにレガシー基盤から最新フレームワークへ移行することは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させるための必須条件です。本事例においてSMILEは、既存分析、API・業務ロジック移行、DBアクセス調整、共通マスタ54件の統合検証、回帰テストまでを一気通貫で支援し、安定稼働と保守性向上を両立させました。

SMILEは、レガシーシステムのブラックボックス化や技術的負債に悩むお客様に対し、確かな技術力と丁寧なリバースエンジニアリングで最適なモダナイゼーションを強力に支援いたします。

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