AIで会議後業務を効率化。議事録要約とアクション抽出を支援する社内PoC
社内のプロジェクトチームおよび営業チームでは、会議後の内容整理、アクション項目の切り出し、関係者への共有に一定の工数がかかっていました。そこでSMILEは、音声認識とLLMを組み合わせ、会議内容の要約、担当者・期限付きのアクション項目抽出、共有用メール下書きの作成までを支援するAIアシスタントのPoCを実施しました。
- 業種・対象: 社内プロジェクト/営業業務
- 課題: 会議後の要約作成、タスク整理、共有作業に時間がかかり、抜け漏れも起こりやすかった
- 導入内容: Speech-to-TextとLLMを用いた要約生成、アクション項目抽出、メール下書き生成
- SMILEの対応範囲: プロンプト・ルール設計、音声認識連携、要約処理、アクション抽出、メール/タスク連携、レビュー導線整備
- 開発期間: 3か月
- 開発体制: 2名/6MM
- 展開規模: AIアシスタント1基盤とCalendar/Email/Task連携
- 導入効果: 会議直後に議事録とアクション項目の下書きを用意し、確認・共有までの流れを短縮
お客様の課題
社内会議では、議論そのものだけでなく、終了後の情報整理にも負荷がかかっていました。参加者は会議内容を振り返りながら要点をまとめ、誰が何を担当するのかを整理し、必要に応じて関係者へ共有メールやタスク登録を行う必要があります。
この一連の作業は手間がかかるうえ、会議の規模や議題が増えるほど、対応漏れや認識差が起きやすくなります。特に、担当者や期限の記録が曖昧なまま残ると、その後の進行管理にも影響します。会議後の事務作業を減らしつつ、アクションの明確さを高める仕組みが求められていました。
プロジェクトの目的
本PoCの目的は、会議後に発生する要約作成やタスク整理の負担を軽減し、会議内容を次の行動につなげやすくすることでした。
単に文章を短くまとめるのではなく、会議で話された内容から重要ポイントを整理し、担当者や期限付きのアクション項目を抽出し、共有しやすい形に整えることが重視されました。あわせて、AIが生成した内容を人が確認する前提で、実務で使える支援レベルを検証することも狙いでした。
SMILEの対応範囲
SMILEは、会議後業務を支援するAIアシスタントPoCの設計・実装を担当しました。主な対応範囲は以下のとおりです。
- 会議内容整理に適したプロンプトおよびルール設計
- Speech-to-Textとの連携による音声テキスト化フローの構築
- LLMを活用した要約生成機能の実装
- アクション項目、担当者、期限の抽出ロジック設計
- メール下書きやタスク連携を想定した出力設計
- 利用者が最終確認しやすいレビュー導線の整備
AIが出力した内容をそのまま確定情報として扱うのではなく、参加者による確認を前提にした支援ツールとして設計した点も本PoCの重要な方針でした。
開発・改善のポイント
今回のPoCでは、会議記録を単純に自動要約するだけではなく、その後の実務で使いやすい形まで整えることを重視しました。会議後に本当に必要なのは、長い要約文よりも、何が決まり、誰が何をいつまでに行うのかが分かる状態だからです。
そのため、出力設計では「要点の整理」「アクション項目の抽出」「担当者と期限の明示」「共有用文面の下書き」という流れを意識しました。これにより、利用者はゼロから議事録を書くのではなく、AIが作成した下書きを確認・修正する形で作業を進められます。
また、会議内容には曖昧な表現や文脈依存の発言も含まれるため、AIが自動で判断しすぎない設計も重要でした。そこで、最終判断はPMや参加者が行う前提とし、レビューしやすいUIや出力形式を組み合わせることで、実務適用しやすいバランスを目指しました。
使用技術
フロントエンド
Google Workspace上のレビュー画面を活用し、生成された要約やアクション項目を人が確認・修正しやすい導線を整備しました。
バックエンド
Pythonベースのワークフローを構築し、音声処理、要約生成、アクション抽出、連携処理までを一連の流れとして実装しました。
データ管理
Google Driveおよび社内ストレージを用い、会議関連データや生成結果を取り扱う構成としました。
AI活用
Speech-to-Textによる音声テキスト化に加え、LLMで要約生成とアクション項目抽出を実施しました。議事録としての読みやすさだけでなく、次アクションにつながる情報整理を重視しています。
クラウド/連携
Google CloudおよびGoogle Workspaceを活用し、Calendar、Gmail、タスク運用との接続を見据えた構成でPoCを進めました。
その他
プロンプトエンジニアリングと人手レビューを組み合わせ、精度と運用性の両立を図りました。
技術的に難しかった点と対応
難しかった点は、会議内容から実務上意味のあるアクション項目を安定して取り出すことでした。会話には省略表現やあいまいな言い回しが多く、発言順だけでは担当者や期限が明確でないケースもあります。
この課題に対して、SMILEは要約とアクション抽出の役割を整理したうえで、出力ルールとプロンプトを調整し、担当者・期限・内容を分けて扱いやすい形に整えました。また、メール下書きやタスク連携を見据え、後続処理で使いやすい粒度を意識した設計を行いました。
さらに、AIの出力だけで意思決定を確定させないため、レビュー工程を前提にした運用設計とし、参加者が最終確認できる形でPoCをまとめました。
導入効果
本PoCにより、会議直後に議事録要約、アクション項目、担当者、期限の下書きを生成できる状態を実現しました。これにより、会議後の事務作業にかかる時間を減らし、対応漏れの防止や責任分担の明確化につなげやすくなりました。
オフショア開発体制のポイント
本PoCでは、日本側で期待する運用イメージや会議後業務の課題を整理し、ベトナム側開発チームが要件を踏まえて実装を進める体制を取りました。BrSEが間に入り、要件意図や出力期待値をすり合わせながら、認識差が出やすいAI出力の評価基準も共有しました。
また、仕様書やレビュー観点を日越間で共有し、テストでは要約品質だけでなく、アクション項目の分かりやすさ、担当者・期限の扱い、レビューしやすさまで確認しました。進捗共有と検証サイクルを短く回すことで、PoC段階でも実務に近い評価ができる体制を整えました。
まとめ
会議後の要約作成やタスク整理は、日常業務の中で見落とされやすい負荷のひとつです。今回のPoCでは、AIを使ってその負担を減らしつつ、人が最終確認する前提で実務に使いやすい形へ整えるアプローチを検証しました。
会議内容を次の行動へつなげる業務設計は、多くの組織に共通するテーマです。議事録作成だけでなく、アクション管理や共有まで含めて見直したい企業にとって、参考になる取り組みのひとつといえます。
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